ユーザー目線での空室対策

2018.9.27

お付き合いのある管理会社にどのような空室対策をしていただけていますか?

ビル・マンションの大家さんの悩みのタネはどんな時でも空室対策ではないでしょうか?借り手がつくまでに長い時間がかかってしまうといった悩みを持った大家さんは少なくないと思います。
その原因はユーザー目線から見た空室対策を行っていないからではないでしょうか。ユーザー(お客様)が「欲しい!」「必要!」と思わなければ、決してその部屋を決めてくれる事はありません。ではユーザーはどのような時「欲しい」「必要」と思うのでしょうか?それを考えたうえで空室対策をしないと的外れになってしまい、無駄な時間と費用を費やす事になります。空室対策を行う場合は他のビジネス(商品開発、サービス開発)と何ら変わる事はありません。ユーザー(お客様)が何を求めているのかを知り、そのニーズにどう応えていくのか?そこでマーケティングの考え方が空室対策でも必要なのです。

 

マーケティングを考えた空室対策

 

その物件は誰に入ってもらいたいですか?

 

そう聞かれると大家さんは、単身者向け、ファミリー向けなどと答えていただけますが、男女は? 年齢は? 家族構成は? 世帯年収は? 趣味は? 他の物件にはないこの物件だけの強みは? そう問われて全てを即答できる大家さんは少ないです。
ユーザー(お客様)の生活スタイルが多様化した現在、老若男女に受け入れられる物件を提供する事はもはや至難の技です。数ある部屋の中から自分のライフスタイルや好みに合った部屋を図面を見て絞り込み、内見を経て契約に至りますが、すぐに入居者が決まる物件はいつどんな時でもすぐに決まってしまいます。逆に決まらない物件はいつまで経っても決まらないものですよね。では、その差とは一体なんだと思いますか?
数少ないユーザーをしっかりと取り込むには、まず物件のある地域は商業地なのか?住宅地なのか?周辺の住民はどのような属性の人が住んでいるのか調べることから始めます。その土地の属性を知ることから始めないと独りよがりのマーケティングになってしまいます。
例えば、勝手な独りよがりな希望で、1人暮らしの女子大生ユーザーに入居して欲しいと考えていても、繁華街の外れに位置し緑豊かな公園の隣の物件であっても、夜になると昼間とは打って変わって少し不気味な物件であれば、そのようなユーザーをターゲットにするよりも男性の単身者をターゲットにした方が治安の不安を考えた空室対策としてはしやすいでしょう。ただしその物件のそばに交番があるなどすれば話は別です、女性をターゲットにできるかもしれません。その物件の属性をしっかりと調べた上でターゲットを絞り込まないと、自然豊かな公園があるのに何故女性のユーザーは入居してくれないんだと頭を抱える事になります。
次にターゲットユーザーが必要としているであろうニーズ(空室対策)を検討して、効果的なことから順に実施していきます。繰り返しになりますが万人にとって魅力的な物件を作ろうと努力すると、本当にその物件を必要としているターゲットユーザーにとって不必要な設備やサービスにお金と時間を費やすことになってしまいます。その良かれと考えたコストを回収する為に家賃を上げる算段をしてしまうと、最終的にはターゲットとしているユーザーにも高額な家賃というネックのため逃してしまう事になりかねません。

 

その物件はターゲットユーザーにとって最適ですか?

 

ターゲットユーザーのマーケティングをしても物件が埋まらない時もあると思います。
そんな時はもう一度、物件の周辺環境の見直しを行います。ユーザーは複数の物件を比較してたった一つの物件を選びます。同じような物件がひしめく立地であれば、それぞれの物件の違いは何であるのか?その僅かな違いを見い出して同等にするために高額な空室対策を行うよりも、異なる視点でターゲットユーザーを捉えて見直すことがその次に大切です。

 

五大トラストが考えるマーケティングの考えを取り入れた空室対策のポイント3

 

①ターゲットユーザーをできるだけ詳しくイメージし、彼らが最低限必要とするサービス(設備・サービス)を察知し理解した上で適切に実施する。

②物件の周辺環境(5km商圏)を調査して、家賃や住人の属性、キーとなる施設(公共・商業)などを理解する。

③ターゲットユーザー+周辺環境がはっきりした上で、管理会社にも協力を得て空室対策に取り組む。
最後になりましたが、上記3つの中で特に重要なことは大家さんの主観ではなく客観的に判断する事だと思います。
お付き合いのある管理会社に客観的な意見を求めて進めることがポイントです。

 

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